2008年01月28日

第29回 特別支援教育における医療の役割について~はじめに~

 医学では、その人が属する家庭や集団(子どもであれば学校など、大人であれば職場など)において働いたり人とつきあったりといった健康な生活ができない、あるいはできない可能性が高い場合に障がいと診断します。発達障がいも同じような基準で診断されます。通常学級に在籍していて、誰しもが多少は持っている特徴が際だっているため、集団に適応できていないあるいは自立に必要な経験を積むことができない可能性が高い場合に障がいと判断します。具体的には、幼稚園や小学校で、活動に参加できなかったり、学習、運動や生活習慣が身につきにくく、後に不登校、引きこもり、抑うつや反社会的行動などといった問題を生じる可能性が高い子ども達です。

 もちろん昔からいた子どもたちで、以前は、地域や公教育の中で現在よりはるかに高率に自立を成し遂げていたはずです。今日、日本では、100万人以上の人たちが引きこもり、不登校は増え続けており、さらにその不登校や引きこもりの半数が発達障がいではないかといわれています。このことから、発達障がいの基本的な治療が、医学的なものではなく、家庭、保育・教育現場を中心とした地域のあり方を見直すことが重要で、地域での子育て支援が大切であることを示していると思われます。決して病院で診断を受けお薬を飲むことだけが治療ではないのです。                    (2007/12/1びぃめ~る59号 小児神経科医 宇野正章)



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