『発達障害』って何?~第54回「チックについて」

Becafe

2014年02月03日 12:55


ままぶっく『発達障害』って何?~第54回「チックについて」


チックは、突発的で不規則な体の一部の速い動きや発声を繰り返す状態で、
運動性チックと音声チックに分けられ、それぞれに単純性・複雑性といわれるものがあります。
単純性運動性チックは瞬き、首振り、肩をすぼめるなど、
複雑性運動性チックは物に触る、物を蹴る、飛び上がるなど、一見意味がありそうな動きです。
単純性音声チックは発声、咳払い、クンクン鼻を鳴らすなど、
複雑性音声チックは汚言(人前や社会的な場で汚い言葉を発してしまう)などが代表的です。

チックは、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、広汎性発達障害、学習障害に合併していることが少なくありません。
トゥーレット障害では40%程度にAD/HDを合併するといわれます。

治療についてですが、多くのチック障害は一年以内に消失する一過性チック障害で、
環境調整で軽減、消失することが多く、薬物療法を行わないことがほとんどです。
ただし多彩な運動性チック、頻回の音声チックが続き、学習や日常生活に著しい支障を来たすようであれば、薬物療法を行います。
薬物療法は、脳内のドパミンやセロトニンに作用するものを用いることが一般的です。


(2013年12月1日びぃめ~る95号掲載 小児科医 宇野正章)

★次回は「ADHDと気分障害」について、2014/2/1発行びぃめ~る96号に掲載します。

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