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Posted by 滋賀咲くブログ at

2011年12月05日

第45回 ~コンサータについて~

コンサータはADHD症状に対する治療薬として2008年日本で初めて承認されたお薬です。その中に含まれるメチルフェニデートという成分が、脳内のドパミンという物質の働きを強め、不注意や衝動性を軽減すると考えられています。

このメチルフェニデートの歴史は古く、1960年代からADHDの治療薬として使用され、有用性に関する多くの研究報告があります。現在でもADHD治療の第1選択薬として世界中で広く用いられています。一方で、「依存や乱用」「子どもをおとなしくさせ大人の都合のいいようにコントロールする」といったイメージなど何かと誤解の多い薬でもあります。

もちろん薬効のあるお薬ですから副作用はあります。ただし、依存については、日本ではこれまで小児の依存の報告はなく、その安全性は長期にわたる使用経験からも実証されているといっていいでしょう。また、ADHDの子どもが内服することでおとなしくなることは確かによく見られます。ただこの点についても、ADHDの子どもは好きなことには人の何倍も落ち着いて集中することができる才能を持っており、落ち着いて集中することが得意な子どもということもできます。この薬は、「集中している状態を増やし、長所を引き出す」効果があるととらえても間違いではないでしょう。

次回はコンサータを内服するに当たっての注意点についてお話しします。

(2011/12/1びぃめ~る83号 小児神経科医 宇野正章)
  


Posted by Becafe at 00:01Comments(0)宇野先生のコラム