2012年04月05日
第47回 ~ストラテラについて~
現在日本で承認されているADHD治療薬は、コンサータとストラテラの2剤のみです。ストラテラは比較的新しい薬剤で、米国では2003年に発売され、日本でも2009年から使用することができるようになりました。
・作用機序:ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)といわれ、前頭前野(脳の前の部分)における神経伝達物質(ノルアドレナリンとドパミン)濃度を高め、ADHD症状を改善すると考えられています。コンサータと異なり脳の他の部位ではドパミン濃度を増やさないので、多幸などの副作用を起こしにくいとされています。
・作用時間:コンサータが、内服後1時間から効き始め12時間で効果消失するといった頓服薬のようなものであるのに対し、ストラテラは、投与開始後2週間程度で効果が発現し始め、6~8週間で十分な効果が発揮されるようになる漢方薬のようなお薬です。ストラテラは24時間通じて効果を発揮することから、コンサータがカバーできない早朝や夕方以降のADHD症状を軽減することができるのがその特徴です。
・服用方法:コンサータが朝1回で休日などは内服しなくてもよいといった変則的な服用であるのに対し、ストラテラは原則毎日朝夕食後内服することが必要です。
・注意点:よく効いてくるまでに1~2ヶ月かかりますので、途中でやめず指示通りに続けることが大切です。
いずれの薬剤も現在のADHD症状を軽減するだけでなく、将来の社会適応をよくする長期予後に関して、その有効性は十分に確認されています。心理社会的治療と併用すれば、多くの子ども達の未来に資することができる薬剤となることが期待できます。
次回は、子どもの症状と薬剤選択についてお話ししたいと思います。
(2012/4/1びぃめ~る85号 小児神経科医 宇野正章)
・作用機序:ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)といわれ、前頭前野(脳の前の部分)における神経伝達物質(ノルアドレナリンとドパミン)濃度を高め、ADHD症状を改善すると考えられています。コンサータと異なり脳の他の部位ではドパミン濃度を増やさないので、多幸などの副作用を起こしにくいとされています。
・作用時間:コンサータが、内服後1時間から効き始め12時間で効果消失するといった頓服薬のようなものであるのに対し、ストラテラは、投与開始後2週間程度で効果が発現し始め、6~8週間で十分な効果が発揮されるようになる漢方薬のようなお薬です。ストラテラは24時間通じて効果を発揮することから、コンサータがカバーできない早朝や夕方以降のADHD症状を軽減することができるのがその特徴です。
・服用方法:コンサータが朝1回で休日などは内服しなくてもよいといった変則的な服用であるのに対し、ストラテラは原則毎日朝夕食後内服することが必要です。
・注意点:よく効いてくるまでに1~2ヶ月かかりますので、途中でやめず指示通りに続けることが大切です。
いずれの薬剤も現在のADHD症状を軽減するだけでなく、将来の社会適応をよくする長期予後に関して、その有効性は十分に確認されています。心理社会的治療と併用すれば、多くの子ども達の未来に資することができる薬剤となることが期待できます。
次回は、子どもの症状と薬剤選択についてお話ししたいと思います。
(2012/4/1びぃめ~る85号 小児神経科医 宇野正章)