2013年11月25日
『発達障害』って何 第53回~「起立性調節障害について」
第53回 「起立性調節障害について」
「朝起きられない」「立ちくらみがする」「からだがだるい」といった身体症状を訴える、
自律神経失調症の一種です。
中学生の約10~30%にみられ、特に思春期の女子に多いとされています。
ほかの身体的な症状としては、
動悸・息切れ・睡眠障害・食欲不振・腹痛・頭痛・不注意など、人によりさまざまな症状が現れます。
病院で症状と起立時に血圧が下がることで診断しますが、
それ以外の検査をしてもとくに異常が認められない場合がほとんどです。
治療には、非薬物療法と薬物療法があります。
非薬物療法としては、規則正しい生活、多めの塩分(1日10~12g)と
水分(少なくても1日1.5リットル)摂取するようにします。
薬物療法では、昇圧剤のミドドリンなどを用います。
また加圧式腹部バンドや圧迫ソックスなどの下半身圧迫装具は、
無駄な血液貯留を防ぎ速やかな症状軽減に役立ちます。
精神的ストレスで悪化することがあり、心のケアが有効なこともあります。
もし症状が当てはまり日常生活に支障をきたしているようでしたら、一度病院に受診してみて下さい。
(2013/8/1びぃめ~る93号掲載 小児科医 宇野正章)
★次回は「チックについて」 2013/12/1発行「びぃめ~る95号」に掲載します
滋賀の情報紙びぃめ~る HP
「朝起きられない」「立ちくらみがする」「からだがだるい」といった身体症状を訴える、
自律神経失調症の一種です。
中学生の約10~30%にみられ、特に思春期の女子に多いとされています。
ほかの身体的な症状としては、
動悸・息切れ・睡眠障害・食欲不振・腹痛・頭痛・不注意など、人によりさまざまな症状が現れます。
病院で症状と起立時に血圧が下がることで診断しますが、
それ以外の検査をしてもとくに異常が認められない場合がほとんどです。
治療には、非薬物療法と薬物療法があります。
非薬物療法としては、規則正しい生活、多めの塩分(1日10~12g)と
水分(少なくても1日1.5リットル)摂取するようにします。
薬物療法では、昇圧剤のミドドリンなどを用います。
また加圧式腹部バンドや圧迫ソックスなどの下半身圧迫装具は、
無駄な血液貯留を防ぎ速やかな症状軽減に役立ちます。
精神的ストレスで悪化することがあり、心のケアが有効なこともあります。
もし症状が当てはまり日常生活に支障をきたしているようでしたら、一度病院に受診してみて下さい。
(2013/8/1びぃめ~る93号掲載 小児科医 宇野正章)
★次回は「チックについて」 2013/12/1発行「びぃめ~る95号」に掲載します
滋賀の情報紙びぃめ~る HP
2013年11月25日
第52回~「発達障害と心身症について」
第52回 「発達障害と心身症について」
日本心身医学会では、「心身症とは、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が
密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態」をいいます。
ただし、神経症やうつ病など、「他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」と定義しています。
つまり、身体の病気があり、その症状の増悪に精神的な要因が関与しているものといえます。
代表的な疾患としては、起立性調節障害、チック、過敏性腸症候群、
アトピー性皮膚炎や気管支喘息などがあげられます。
心身症は、アレキシサイミアと呼ばれる人に多いとされています。
これは日本語に訳すと「失感情症」で、自己の感情を意識的に認知することの苦手さや、
空想力、創造力の欠如を特徴とする性格傾向のことを示します。
アレキシサイミアの人は、不満や不安などの感情を意識で認識する代わりに、
身体で表現してしまうのではないかというメカニズムが考えられています。
発達障害の子どもたちは、気持ちの表現が苦手であったり、イマジネーションの問題のため
起立性調節障害など心身症の発症が多くなると考えられています。
次回は、心身症の代表的な疾患についてお話しします。
(2013/4/1 びぃめ~る91号掲載 小児科医 宇野正章)
滋賀の情報紙びぃめ~る HP
日本心身医学会では、「心身症とは、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が
密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態」をいいます。
ただし、神経症やうつ病など、「他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」と定義しています。
つまり、身体の病気があり、その症状の増悪に精神的な要因が関与しているものといえます。
代表的な疾患としては、起立性調節障害、チック、過敏性腸症候群、
アトピー性皮膚炎や気管支喘息などがあげられます。
心身症は、アレキシサイミアと呼ばれる人に多いとされています。
これは日本語に訳すと「失感情症」で、自己の感情を意識的に認知することの苦手さや、
空想力、創造力の欠如を特徴とする性格傾向のことを示します。
アレキシサイミアの人は、不満や不安などの感情を意識で認識する代わりに、
身体で表現してしまうのではないかというメカニズムが考えられています。
発達障害の子どもたちは、気持ちの表現が苦手であったり、イマジネーションの問題のため
起立性調節障害など心身症の発症が多くなると考えられています。
次回は、心身症の代表的な疾患についてお話しします。
(2013/4/1 びぃめ~る91号掲載 小児科医 宇野正章)
滋賀の情報紙びぃめ~る HP