2014年09月19日

『発達障害』って何?~第57回「双極性障害とADHD」

『発達障害』って何?~第57回「双極性障害とADHD」


双極性障害(いわゆる躁うつ病)は、うつと躁状態を繰り返す病気で、
ADHDの40~80%に併存することはよく知られています。

ADHDは、双極性障害の躁状態とよく似た症状(易刺激性、多弁、活力の増大、注意散漫)
を呈することがあり、両者を区別することは困難なことがしばしばあります。
ただし、イライラや怒りなどの症状は、ADHDに比べ双極性障害の方が長時間に渡って
続くことが知られています。
ADHDの子どもが途中から双極性障害を発症してくることや、ADHDと診断されていた
子どもが実はADHDではなく双極性障害であったということも時に見られます。

双極性障害に見られADHDに見られない症状としては、気分高揚、誇大妄想、
考えの競い合いや睡眠欲求の減少などがあります。
なかでも2~3時間の睡眠でよく休めたと感じ、それでも疲れを感じないという「睡眠欲求の減少」は、
自覚的にも他覚的にもわかりやすい双極性障害の特徴です。

治療は、双極性障害では、気分安定薬や非定型抗精神病薬といった薬剤を中心とした薬物療法と、
再発をコントロールする方法などを指導したりといった疾患教育や、対人関係のストレスへの対処や
社会リズムを一定に保つことを目指す対人関係社会リズム療法(IPSRT)などの心理社会的治療法が中心となります。

ADHDでは中枢神経刺激薬などの薬物療法と行動療法が有効でとされていますが、
ADHDと双極性障害が合併している場合は、薬物によるADHD症状のコントロールが必要となることが多いようです。

(2014年9月1日びぃめ~る98号掲載 小児神経科医 宇野正章)


滋賀の情報誌「びぃめ~る



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