この広告は365日以上更新がないブログに表示されます。  

Posted by 滋賀咲くブログ at

2014年02月03日

『発達障害』って何?~第55回「ADHDと気分障害について」

『発達障害』って何?~第55回「ADHDと気分障害について」

気分障害にはうつ病や躁うつ病(双極性障害)が含まれます。
これらは、ADHDと併存併発しやすいことが知られています。

ADHDの人は、何事も最後までやり遂げることができず、集中できず、自尊心が低くなって、うつ状態を招いている場合もしばしばあります。
このような場合は、ADHDにおいて、うつは「二次障害」ともいうことができます。
また、ADHDとうつ病は、神経伝達物質の遺伝的な不具合のため関連しているとの報告もあります。

躁うつ病は、ADHDと類似する障害です。
ADHD患者特有の、多弁、活力の増大、衝動買いやギャンブル好きでお金を浪費するあたりは、躁うつ病患者のそれとよく似ています。
ですから、ADHDの患者が躁うつ病と診断されている可能性、また躁うつ病患者がADHDだと 診断されている可能性もあります。
但し、躁うつ状態の場合、躁状態のあとにはうつ状態がやってくるといったように周期性が極めてはっきりしていて、躁の時期、うつの時期と交互にやってきます。

ADHDでは、まず行動に一貫性がないので、このような周期性は生じませんし、睡眠欲求の減少が見られないこと、気分の高揚や誇大的でないことなどで見分けることができますが、
実際のところ鑑別が難しく併発している症例も少なくないと言われています。

いずれにしても、うつ病も躁うつ病も、ADHDとは極めて関連性が高いということが、お分かりいただけるのではないかと思います。

(2014年2月1日びぃめ~る96号掲載 小児神経科医 宇野正章)

滋賀の情報紙びぃめ~る HP びぃめ~る http://www.bmail.gr.jp/  


Posted by Becafe at 21:00Comments(0)宇野先生のコラム

2014年02月03日

『発達障害』って何?~第54回「チックについて」

ままぶっく『発達障害』って何?~第54回「チックについて」


チックは、突発的で不規則な体の一部の速い動きや発声を繰り返す状態で、
運動性チックと音声チックに分けられ、それぞれに単純性・複雑性といわれるものがあります。
単純性運動性チックは瞬き、首振り、肩をすぼめるなど、
複雑性運動性チックは物に触る、物を蹴る、飛び上がるなど、一見意味がありそうな動きです。
単純性音声チックは発声、咳払い、クンクン鼻を鳴らすなど、
複雑性音声チックは汚言(人前や社会的な場で汚い言葉を発してしまう)などが代表的です。

チックは、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、広汎性発達障害、学習障害に合併していることが少なくありません。
トゥーレット障害では40%程度にAD/HDを合併するといわれます。

治療についてですが、多くのチック障害は一年以内に消失する一過性チック障害で、
環境調整で軽減、消失することが多く、薬物療法を行わないことがほとんどです。
ただし多彩な運動性チック、頻回の音声チックが続き、学習や日常生活に著しい支障を来たすようであれば、薬物療法を行います。
薬物療法は、脳内のドパミンやセロトニンに作用するものを用いることが一般的です。


(2013年12月1日びぃめ~る95号掲載 小児科医 宇野正章)

★次回は「ADHDと気分障害」について、2014/2/1発行びぃめ~る96号に掲載します。

滋賀の情報紙びぃめ~る HP   


Posted by Becafe at 12:55Comments(0)宇野先生のコラム

2013年11月25日

『発達障害』って何 第53回~「起立性調節障害について」

第53回 「起立性調節障害について」

「朝起きられない」「立ちくらみがする」「からだがだるい」といった身体症状を訴える、
自律神経失調症の一種です。
中学生の約10~30%にみられ、特に思春期の女子に多いとされています。

ほかの身体的な症状としては、
動悸・息切れ・睡眠障害・食欲不振・腹痛・頭痛・不注意など、人によりさまざまな症状が現れます。
病院で症状と起立時に血圧が下がることで診断しますが、
それ以外の検査をしてもとくに異常が認められない場合がほとんどです。

治療には、非薬物療法と薬物療法があります。
非薬物療法としては、規則正しい生活、多めの塩分(1日10~12g)と
水分(少なくても1日1.5リットル)摂取するようにします。

薬物療法では、昇圧剤のミドドリンなどを用います。
また加圧式腹部バンドや圧迫ソックスなどの下半身圧迫装具は、
無駄な血液貯留を防ぎ速やかな症状軽減に役立ちます。
精神的ストレスで悪化することがあり、心のケアが有効なこともあります。

もし症状が当てはまり日常生活に支障をきたしているようでしたら、一度病院に受診してみて下さい。

(2013/8/1びぃめ~る93号掲載 小児科医 宇野正章)

★次回は「チックについて」 2013/12/1発行「びぃめ~る95号」に掲載します
滋賀の情報紙びぃめ~る HP   


Posted by Becafe at 16:41Comments(0)宇野先生のコラム

2013年11月25日

第52回~「発達障害と心身症について」

第52回 「発達障害と心身症について」

日本心身医学会では、「心身症とは、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が
密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態」をいいます。
ただし、神経症やうつ病など、「他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」と定義しています。

つまり、身体の病気があり、その症状の増悪に精神的な要因が関与しているものといえます。
代表的な疾患としては、起立性調節障害、チック、過敏性腸症候群、
アトピー性皮膚炎や気管支喘息などがあげられます。

心身症は、アレキシサイミアと呼ばれる人に多いとされています。
これは日本語に訳すと「失感情症」で、自己の感情を意識的に認知することの苦手さや、
空想力、創造力の欠如を特徴とする性格傾向のことを示します。
アレキシサイミアの人は、不満や不安などの感情を意識で認識する代わりに、
身体で表現してしまうのではないかというメカニズムが考えられています。

発達障害の子どもたちは、気持ちの表現が苦手であったり、イマジネーションの問題のため
起立性調節障害など心身症の発症が多くなると考えられています。

次回は、心身症の代表的な疾患についてお話しします。

(2013/4/1 びぃめ~る91号掲載 小児科医 宇野正章)

滋賀の情報紙びぃめ~る HP
  


Posted by Becafe at 16:34Comments(0)宇野先生のコラム

2013年02月06日

第51回 発達障害に使用される薬剤について~抗精神病薬~

抗精神病薬とは、主に統合失調症や躁状態に使われるお薬のことを指し、
脳内のドパミンやセロトニンの作用を抑えることで効果を発揮するとされています。
海外では、リスペリドンやアリピプラゾールといった抗精神病薬が、自閉症のパニックやイライラに使用されています。
一方日本では、現在のところ自閉症への使用は認められていませんが、
現在適応申請中で近い将来使用することが可能になる予定です。

感覚過敏が強くパニックや自傷行為の見られる自閉症の子どもさんには、特に有効なことが多いようです。
また、ごく少量の投与でチックにも効果を発揮することが知られています。
副作用としては、眠気や体重増加などがあり、慎重な投与が望まれます。
日本でも成人では、イライラや過敏さを抑えるために過量に投与され、
鎮静作用が強く出過ぎ昼間もボーッとするといった症状が見られることがよく問題になります。

近年、日本でも発達障害児への使用例が増えてきていますが、
代替手段がない場合に限り、少量で短期間の投薬にすべき薬剤であると思われます。
次回は、発達障害によく見られる起立性調節障害についてお話しします。

(2013/2/1びぃめ~る90号 小児神経科医 宇野正章)


滋賀の情報紙びぃめ~る HP  


Posted by Becafe at 00:00Comments(0)宇野先生のコラム